シンデレラ風パロディ
epilogue
エピローグ
「新王万歳!!」
白の正装を纏った青年は、これもまた純白の美しい馬6頭だての豪勢な馬車の中から、微笑んで民衆に手を振りました。『新王』・・・そう、今日まで王子だった彼は、ついに王位を継いだのです。しかし空から降り注ぐ、かぐわしい香りを放つ摘まれたばかりの花たちは、晴れやかな顔をした青年にばかり注ぐのではありません。
幸せそうに彼の傍らに座る少女。
その足は透明な、どこか不思議な光を放つ靴に包まれています。
「新王妃万歳!!」
自身を呼ばれ、どうやらはにかんでいるのでしょうか、どこかぎこちない仕草で、少女も手を民衆に振りました。やがて王と王妃は城へと辿り着き、手に手をとって城に入っていき、しばらく経って儀礼用の窓辺から再び人々の前に姿を現しました。仲睦まじく若々しく美しい二人が寄り添いあう姿は、逆光であることもあいまってかどこか神々しいものでした。やがて集う人々の注視する中指輪は果たして交換され、あのお決まりの言葉が囁き交わされた後。
ふたりは静かに、そっと、誓いの口付けを交わしました。
「ご結婚万歳!!わが国の永遠の繁栄を願って!!!」
さて、手を繋ぎあっていたのはいったい誰であったのか、それはあなたの思うままに・・・
Copyright (c) 2009 honegai All rights reserved.
